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孤譚

思いつきで始めるブログ。漫画や音楽、アニメ、小説などの感想や、突飛な思いつきなどを書く。プログラミングが趣味だから、そういう話もしたいところ。一度失敗したのに懲りないのはいつものことだ。

「THE SHOW MUST GO ON」

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「THE SHOW MUST GO ON」

THE SHOW MUST GO ON THE SHOW MUST GO ON

「THE SHOW MUST GO ON」

 先日、筋肉少女帯のアルバム「THE SHOW MUST GO ON」が発売された。「The show must go on」とは「ショーは続けなければならない」という意味の言葉であり、また、「何があっても生き続けなければならない」という意味合いもある。筋肉少女帯は去年にメジャーデビュー25周年を迎えたことを考えると思うところがある題である。収録された曲にも合っている。QUEENのシングルにも同名があり、QUEENのその後を思い出して色々と考察したファンもいたようだ。

 私が購入したのは初回限定盤 の方である。それにはCDとともにライブDVDもついてくる。TOWER RECORDで予約したため、おまけのDVDも手に入った。トレーディングカードは橘高さんだった。特にトレードする気はない。トレードする相手もいない。

 結論から言えば、今回のアルバムにはやや物足りないものを感じた。その理由は私が特に好きなアルバムが「月光蟲」と「レティクル座妄想」であることから推察できると思う。ただ、他のアルバムの曲が嫌いというわけではない。単に前述の二つよりも好きではないと思ったというだけのことだ。年をとれば詩の雰囲気が変わって当然だし、同じでは聞き手も作り手も飽きるだろう。期待しなければ今回のアルバムを買おうとは思わない。そして、今回のアルバムはそう悪いものではなかった。

 これから個々の曲への感想を書こうと思う。私は詩を重視しているつもりだが、曲調でも割と影響される。だから、楽曲への評価はかなり粗雑だ。実を言うと、金欠のために「四半世紀」をまだ買っていないことには目をつぶっていただきたい。ちなみに私は「レティクル座妄想」が発売された年に生まれた。だから、長年のファンと比べたら考え方も異なることだろう。

「オーディエンス・イズ・ゴッド」

 この歌の歌詞はアルバムの最初の曲であることを意識した内容になっている。オカルティストの下りで「ヘドバン発電所」のオチを何となく連想した。そういう意味で筋少らしい曲であろう。

 最近のオーケンはバンドマン視点の詩をよく書くが、楽器に縁のない人生を送っている私としたら置いてけぼりにされている気分である。「ツアーファイナル」は好きだけどね。

「労働讃歌」

 この曲は「ももいろクローバーZ」というアイドルグループのために作られたものらしい。作詞はオーケンで、作曲は筋少とは無関係の誰かである。

 「【前編】オーケンに全部聞いた! 4年ぶりでもブレない筋少ワールド『THE SHOW MUST GO ON』アルバム発売記念インタビュー | ガジェット通信」のインタビューによるとオーケンは皮肉を込めて詩を書いた作ったつもりらしい。皮肉が込められているという点で筋少らしいといえなくもない。ただ、明るく楽しげな曲調と、メンバー全員によるラップのような歌い方のために、私はこの曲に暗い要素を全く感じなかった。明るめの「銀輪部隊」という印象である。ももクロの歌を一回も聞いたことがないからそう感じてしまうのかもしれない。

「ゾロ目」

 この曲はタイムトラベルと双六をかけたものである。今のところ、このアルバムの中で最も好きな曲である。「何度かの時の果てで~」の下りの詩と曲調の展開を特に気に入っている。「リセット」と「ふりだし」の違いはやり直すか繰り返すかの違いであり、強烈な感情を歌った曲は好みである。

 この曲のPVはオーケンがヌンチャクを振り回しているのが印象的だ。今回は他のメンバーもヌンチャクのパフォーマンスを行っている。ニコニコ生放送の『筋肉少女帯 Newアルバム「THE SHOW MUST GO ON」リリース記念〜厳選映像SP〜』という番組でも何度も流れており、生放送の視聴者はこれを見てヌンチャクの宣伝などとコメントしていた。この曲にヌンチャクは一切関係ないが、筋少だから別にいいや。それにしても、オーケンはヌンチャクが上手い。ヌンチャクといえばブルース・リーやニンジャの武器だ。ん、ニンジャ? ……いや、まさかね。

「霊媒少女キャリー」

 この曲もアリだと思う。オカルト趣味の成分がある曲も、せつない印象のある曲も好きだ。ただ、「アメリカでは~」の下りでの曲調とオーケンの歌い方が合っていない気がする。

 前述のインタビュー記事ではゴスロリ趣味がある詩だとオーケンは語っていた。確かに「爆殺少女人形舞一号」と似ていると思う (その曲は私が「蔦からまるQの惑星」の中で最も好きな曲である) 。私もゴスロリには創作物の題材としては関心がある。現実のゴスロリはちょっと夢が壊れるから嫌だけど。

「ムツオさん」

 この曲は2ちゃんねるの筋少スレで話題になっていた。題名だけを見ると「たま」の知久さんか石川さんが作った曲という感じがする。ちょっと曲調が地味な感じがして、最初は聞き流してしまったが、津山事件を題材としていると何回か聞いて初めて理解した。私は筋少が好きなくせに猟奇事件についてあまり知らないため、すぐには気づけなかった。

 詩の内容としては心の中には誰にでもムツオさんが潜んでいるというものだ。いかにも筋少らしい、心の中の狂気的衝動 (というのは言い過ぎか) を歌った素敵な曲であった。「今に見ておれ」という部分がかなりいいと思う。

「みんなの歌」

 個人的にはピンとこない曲だ。もっと聞いてみれば感想も変わるだろうか。

「月に一度の天使」「愛の讃歌」

 私は「ハッピーアイスクリーム」のような曲が最も好きではあるけれど、感動的な曲も好きだから、「月に一度の天使」も結構気に入っている。筋少ではよくある掌編小説のような曲だ。物語性のある曲はかなり好きである。でも、「ドグラ・マグラ」が好きな女の子はちょっとやだなあw

「恋の蜜蜂飛行」

 この曲を聞いて最初に思い浮かべたことは、最近発生していると聞く、蜜蜂が突然消失する現象だ。前述のインタビュー記事を見る限りでは全く関係なさそうだが。

 何度聞いてもよく分からない。例のインタビュー記事でのオーケンのコメントも不明瞭である。どうして昆虫なんだろう。しかし、嫌いではない。何度も聞いていると癖になりそうな雰囲気がある。

「吉原炎上」

 吉原で小娘と小僧が火を放って心中するという曲である。何となく「抜け忍」を思い起こしたが、よくよく考えると何一つ似ていない。

 「抜け忍」は何度か聞いて良さを理解した。この曲もそんな感じがする。いい感じだ。

「気もそぞろ」

 最初の曲と対をなす、アルバムの終わりにふさわしい曲。しかし、最後の曲ではない。

 オーケンといえば叫び声もあげるような奇怪な歌い方であるけれど、優しげに歌うもいいと思う。上手な歌手の歌がいいのは当然だが、少し下手な歌い方も悪いものではない。それに、オーケンの歌い方はなかなか捨てたものではない。

「ニルヴァナ」

 トリを飾るのはこの曲である。かなり目茶苦茶な詩に激しい曲調が面白い。最初はピンと来なかったが、何度も聞くうちにこの曲の魅力が分かった。混沌としていていいと思う。

ライブDVD

 私は筋少に限らずライブというものに一度も行ったことがない。その理由は私自身が出不精だからというのあるが、最大の理由は金欠だからである。筋少はライブで輝くバンドだと聞く。実際、今回付属してきた二つのDVDを見ると、ライブは楽しそうだった。観客との掛け合いもいいし、オーケン以外がボーカルをするというのも面白い。レア曲があるのも楽しい。いつかはライブに行ってみたいものである。



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伝説のロック(?)バンド「たま」の楽曲を聞くならばとりあえずこの1枚を。

筋肉少女帯入門に最適のベスト盤。

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