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孤島の奇譚

思いつきで始めるブログ。漫画や音楽、アニメ、小説などの感想や、突飛な思いつきなどを書く。プログラミングが趣味だから、そういう話もしたいところ。一度失敗したのに懲りないのはいつものことだ。移動しました→http://isolated-hyakunin-isshu.blogspot.jp/

「がっこうぐらし!」第6巻感想

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「がっこうぐらし!」第6巻感想

第6・7巻

はじめに

 『「がっこうぐらし!」原作とアニメの比較 ~アニメを見た人がとりあえず第5巻まで原作を読んだ感想~』で「がっこうぐらし!」の第5巻までの感想をざっくりとまとめた。前の記事では第6・7巻も欲しいなどと述べていたが、ついにようやく購入してきた。この記事では第6巻の感想を書こうと思う。見たところ、感想を実況風に書く方が多いらしいから、私もそれに倣ってみようと思う。そのてのブログでは漫画の一部の画像を掲載していたりするが、私は危ない橋を渡りたくないため画像は表紙だけである。漫画の画像を見たい方は別のブログをあたってほしい。ネタバレは大量にあるから、その点にはご注意を。

 第6巻の表紙にはゆきと新しい登場人物らしき少女が描かれている。新キャラ可愛いなあ。まさか妙な秘密があったりしないよな?(すっとぼけ)


第31話「たびだち」

 第5巻で高校が火事で使用不能になり、卒業旅行という体でめぐねえの車で大学を目指す一行。「かれら」がうろうろしている中をくるみが運転する車は平然と走る。ゆきは遠足回で見せた地図を読む能力を再び発揮している。本当に意外である。遠足のときのように道が塞がっており、思うようには進まず、休息するためにコンビニへ立ち寄る。

 くるみがコンビニの偵察に行こうとすると、ゆきも同行しようとする。運転してきて疲れただろうからとゆきは言うが、聞き返してみれば本当はコンビニで売っている漫画が目当てらしい。くるみが安全を確認している中、ゆきはコンビニの内部の掃除を始めた。ゆきの行動は異様に手際がよく、くるみは違和感を覚える。

 夜、車中泊から開放され、コンビニの中で眠りにつく一行。ゆきが掃除をしたのだとくるみが言うと、みーくんは「え うそ」と意外そうに応じる。りーさんは「ゆきちゃんは もう大丈夫ね」と言って微笑み、ゆきは照れ隠しに寝袋の奥へ入り込む。

 以前のゆきは仲間の心の支えになっていたとはいえ、仲間の足を引っ張っていた点があったことは否めない。第5巻の高校の火事の際は、絶望に心が折れたりーさんに代わり、ゆきがくるみとみーくんを迎えに行こうとしていた。その一件をきっかけにゆきも成長したのだろう。それとも回復したと言うべきか。


 夜が更け、皆が寝静まったころ、ゆきはむくりと起き上がり、どこかへ行こうとしていた。そのとき、起きていたのか、りーさんがゆきの行動を咎めた。ゆきはめぐねえが星が綺麗だと言っていたから散歩に行こうとしていたのだと言う。りーさんがゆきを叱りつける声を聞き、残り2名も目を覚ます。なごやかな(?)光景を見て微笑む二人。

 実際のところ、ゆきは本当に散歩に行こうとしていたのだろうか。ゆきは時折夜中にこっそりと単独行動をとることがあった。この夜の一幕に何か意味があったのかは不明である。


 翌日、一行が偶然にカーラジオを入れたところ、AMラジオ放送が流れ始めた。放送主は「巡ヶ丘ワンワンワン放送局」を名乗る人物。ディスクジョッキーのように音楽放送を行っていたのだ。文化祭のときの学園生活部と同じような行動をとっている人がいる。一行は生存者の存在を知って沸き立つ。

 所変わって「巡ヶ丘ワンワンワン放送局」。放送主の正体は女性で、耳にたくさんピアスをしている。ご機嫌な放送を終えた後、彼女が咳をする場面でこの回は終了する。明らかに咳が不穏だが、彼女は何か持病でも抱えているのだろうか。


 ちなみに、この回でもくるみの手が冷たいことが言及されていた。以前の回でもくるみの手の話がさりげなく挟まれていたのだが、果たして。

第32話「くるま」

 朝、一行は再び件のラジオ放送を受信する。車の中でゆきがどこに住んでいるか聞いたところ、放送主は住所を話し始めた。りーさんは「通じた!?」と驚く。明らかに偶然だが、りーさんがボケ役に回るとは意外である。ゆきの仕事をとる気かな?(意味深) 放送主はお茶の相手を探しにラジオ放送を行っていたようだ。


 ラジオの放送主の住所を目指す一行。運転に疲れて休憩を挟む。めぐねえの車は狭くて車中泊も辛く、備蓄も難しい。くるみとりーさんは車を替えようかと相談するが、その際にりーさんが「めぐねえに相談して……」と言いかける。りーさんは慌ててごまかすが、読者は色々と察してしまうのであった。

 一方で、ゆきとみーくんは放送主についての話をする。放送主を仲間に加えても大丈夫だろうかと心配するみーくんに対し、ゆきは何とかなると話す。みーくんはかつて学園生活部に入部するときのことを思い出しつつゆきの話に同意する。ふと、二人は車に「かれら」が近づいてきていることに気がつく。ゆきは外で相談しているくるみとりーさんを急かす。ゆきは明らかに「かれら」のことを正しく認識しているらしく、りーさんは頼れるようになったと感心する。


 ついに放送主の居場所に一行は辿り着く。その場所は頑丈そうな建物で、まるで「かれら」の発生を予期していたかのようだ。りーさんが留守番し、残りの3人は建物の中に入り込む。建物は屋上のハッチから入る構造だった。ゆきはハッチから足跡が伸びていることに気がつくが、とりあえずその件は保留して3人は建物の中に入る。足跡は3人のもののようだ。それ以外に足跡はなく、長い間誰もその建物には出入りしていなかったようだ。

 建物の中は無人だった。いや、脇の扉から物音がする。ラジオの放送機材の元には「扉を開けるな!」と書かれた書き置きが残されていた。書き置きによれば、扉の先にいるのは部屋の主だった人間で、二次被害を引き起こさないために自ら閉じこもっていたのだ。つまり、4人が来るのは遅かったのだ。放送主は孤独に耐えつつもお茶の相手を求めてラジオ放送を行っていたが、とうとう時間が来てしまったのである。「扉を開けるな!」という書き置きを読みつつも、くるみは「送ってくるよ……」と言って放送主のいる部屋の扉を開ける。

 不自然な空白の後、場面は3人が建物の探索を行うシーンに移る。くるみの服は血飛沫に汚れており、その様は何が起こったのかを雄弁に語っている。3人は学校の地下の空間に似た場所を見つける。学校と同様の設備と物資を見て、くるみはここで暮らすのもいいかもしれないと呟くが、ゆきは皆で大学へ行こうと決めたのだと返す。二人は微笑みながらそれを肯定する。

 放送主は後に自分の元を訪れる人のためにある物を残していた。それはキャンピングカーである。めぐねえの車での長旅には難があり、渡りに船といったところか。一行は車を替え、放送局に別れを告げるのであった。

第33話「ひみつ」

 キャンピングカーでの旅を始めた一行。ゆきは水洗トイレの設備に喜びの声をあげる。みーくんがゆきの振る舞いを咎める中 (めぐねえの車を使っていたとき、トイレはどうしていたのでしょうね (ゲス顔)) 、りーさんは「めぐねえ気にしてないといいけど」と平然と呟く。3人はりーさんの言葉に同調するが、ゆきも含めて動揺を隠せない。

 第5巻で火事から避難するとき、りーさんはめぐねえの影とおぼしき像を火事の煙の中に見ていた。りーさんにとってもめぐねえが心の支えになっているという感動の描写なのだろうと私は思っていたが、感動では済まない事態になっていたようだ。りーさんは火事での一件で絶望に潰されてから、ゆきとは対照的に何か悪化しているところがあるらしい。前回、りーさんはめぐねえの名を漏らしたときにごまかすような言動をとっていたが、今となってはもはや隠そうともしなくなった。明らかに何かがまずい方向に進んでいる。


 洗濯をしに川へやってきた一行。ゆきとくるみは水着に着替えて川に飛び込むが、ゆきは寒さのために震えがとまらない状態に。一方でくるみは平気そうに洗濯を始める。「鍛え方が違うからな」とくるみは言うが、あまりにも反応が違いすぎる気もする。今までのくるみでも寒さに異常に強くても不思議ではないかもしれないが、「かれら」の仲間入りをしかけたから、何か体に変化が起こっていても不思議ではない。

 くるみとみーくんは洗濯をしながら、ゆきが頼りがいのある人物に変貌したという話をする。現状のままでもいいかもしれないと語るみーくんに対し、くるみはそうもいかないと話す。みーくんは「くるみ先輩までまともなこと言うなんて……」などと言う。


 夜、皆が眠った頃。目を覚ましたみーくんはくるみが一人どこかへ行こうとしているのを目撃する。洗濯のときの意味深な態度を思い出したみーくんはその後を追う。 くるみが真夜中に車を離れた理由。それは「かれら」に会いに行くためだった。じっと立ち止まるくるみに対し、「かれら」はくるみに気がつかずに通りすぎてしまう。 くるみは唇を噛みつつ「かれら」を呼び止める。すると、「かれら」がくるみの方を振り向いた。思わず笑みを漏らすくるみだが、「かれら」が反応したのは本当はみーくんの方だった (くるみが「かれら」が自分に気がついたと思い込んだときの描写が少し怖い。このときのくるみの陰のトーンは点状ではなく網目模様のようになっている。まるでくるみが異質な存在になっているかのような……)。

 くるみが「かれら」を片付けた後、くるみとみーくんは血に汚れた服を洗いながら、件の現象についての話をする。みーくんはゆきがくるみの手の冷たさを指摘していたのを思い出していた。心配するみーくんに対し、くるみは笑顔でその言葉を受け止める。そんな中、りーさんは二人の秘密の洗濯を発見し、夜中に二人きりで何をやっているのかと説教を始める。その声で目を覚ましたゆきだが、普段の叱られ役と違ってくるみとみーくんが叱られているのを見て夢だと思い、再び眠りにつくのであった。


 「かれら」になりかかっためぐねえが空腹を覚える描写があった。「かれら」が人間を食べる場面もあった。「かれら」が空腹を満たすために仲間を襲わないのは、他の「かれら」を獲物であるとは認識しないためだろうか。くるみが「かれら」に無視されたのはそのためかもしれない。くるみの夜中の行動を見る限り、くるみは自分の身に起こった変化を以前から認識していて、それを確かめるためにこの行動をとったと考えられる。もしかしたら、この夜のときのような行動を何度も繰り返していたのかもしれない。

第34話「いもうと」

 旅の最中、キャンピングカーが急停車。長旅の運転は疲れるのだろう。りーさんが運転を代わろうかと提案するが、ここでみーくんが運転手に立候補する。みーくんがくるみから運転を教わる中、りーさんは浮かない顔で荒廃した町を眺める。ふらりと外に出たりーさんは、顔を上げたとき、ふと何も起こっていない、普段の平和な町並みを見る。そして、「りーねー」と自分を呼ぶ声。しかし、町は荒れたままで、自分を呼んでいたのはゆきだった。ゆきがりーさんを呼び戻しに来たのだ。「危ないよ」と言って手を引くゆきに対して、りーさんは「るーちゃん」と誰かの名前を呟く。 車に戻ったりーさんに、みーくんは自分が運転すると告げる。すると、りーさんは奇妙な言葉を漏らした。まるで高校が無事で、今自分たちは学校に戻ろうとしているのだと言いたいかのようなことを平然と口にしたのである。りーさんは慌てて冗談だとごまかそうとするが、その表情はそれが単なる冗談ではないことを物語っていた。他の仲間もりーさんを心配している様子である。


 食事の後もりーさんは陰鬱な面持ちである。りーさんは水を渡しに来たゆきに「るーちゃん」の話を始める。るーちゃんとはりーさんの妹だった。行方の分からない妹について相談するのかと私は思ったのだが、突如りーさんの様子が一変する。りーさんは今までるーちゃんのことを忘れていたのだと語る。るーちゃんの代わりにゆきを妹のように扱って、妹のことを思い出さないようにしていたのだと自らを罵り始めた。りーさんのお姉さんのような振る舞いのおかげで自分たちは助かっているのだと言って、ゆきはりーさんを慰める。りーさんは涙を流しつつもゆきと抱き合う。


 夜、ゆきとりーさんが眠っている中、くるみとみーくんは地図から小学校が近くにあることを知る。これが理由でりーさんは妹のことを思い出したのかもしれないと推測する。近くを見に行くと車を出たくるみが出会ったのは、プラカードを首から下げた子供の姿だった。子供は既に「かれら」の仲間入りをしており、そのプラカードには子供が書いたとおぼしき助けを求める言葉が。くるみは「そうすりゃ帰れなくても助け呼べるもんな すげぇや」と呟く。くるみは子供を相手に躊躇しながらも、「かれら」の首にシャベルを押し当てる。

 ここでくるみは気がつく。りーさんがこちらを見ていることを。りーさんの瞳には、くるみが子供に手をかけようとしている様子が写り込んでいた。りーさんは口を開くが……。


 最後に登場した子供は、小学校から助けを求めに来た人物の成れの果てだろう。あのようなプラカードを書くような子供が「かれら」にプラカードを身につけさせることはできない。くるみの言葉通り、決死の大冒険を始めた子供がようやく助けを呼ぶことに成功したということだろう。ただ、「かれら」の発生から既に時間がたっている。小学生だけで生活できたとはとても思えない。だからこそ、件の子供は危険を冒して救助を求めたのだろうが、果たして彼の頑張りは実を結んだだろうか……。

第35話「こえ」

 りーさんはゆきを起こした。それは、件のプラカードについての話し合いをするためだった。くるみはプラカードの出所を明瞭には語ろうとしなかったが、みーくんは察したようだ。りーさんは子供たちを救助しようと訴える。くるみは夜の行動の危険性を指摘するが、りーさんはその言葉に反論する。ゆきが救出に賛同したことで、救出する方向に話はまとまった。ちなみに、ゆきがりーさんの意見に賛成したとき、りーさんはえらく嬉しそうな表情を見せた。妹のことや火事のときの絶望の後遺症もあってか、りーさんの言動に余裕が無くなっている。


 小学校へ無事に辿り着いた一行。くるみが一人で偵察に行こうとするが、りーさんは救出には人手がいるからと同行しようとする。ゆきもくるみが一人で救出したらくるみだけがヒーローになると一緒についていこうとする。ゆきはぬいぐるみのグーマちゃんを持っていた。子供にあげたら自分が好かれるからとゆきは語る。みーくんが留守番をし、3人は夜の小学校へ潜入する。小学校は高校と同様に荒れ果てていた。あまりの惨状にゆきとりーさんは口元を手で抑える。

 3人は足跡を見つけ、2階でバリケードの設けられた教室を見つける。くるみは中に入ろうとするが、バリケードの隙間から伸びたのは「かれら」の手だった。慌ててゆきが扉を閉める (頼れるゆき先輩描写である) 。まだ誰か生きている人がいるかもしれないと訴えるりーさんに対し、ゆきは敢えて大声を出して生存者がいるか確認しようとした。ゆきの声に応えた者は果たしていたのだろうか。りーさんはそんな声を聞いたと言うが、他の2人には聞こえなかった。りーさんの訴えに反し、聞こえてくるのは「かれら」の出す声と物を引っ掻くような音ばかりだった。勘のいいゆきでさえもりーさんが聞いたような声は聞いていないという。ゆきの声に「かれら」が寄ってきていたため、結局、3人はその場を後にすることとした。戻る途中、ゆきはグーマちゃんを床に置き、手を合わせた。残念な結果に終わったとはいえ、ゆきの優しさにくるみは笑みを浮かべる。

 帰った後、りーさんは朝になったらもう一度探しに行こうと訴えるも、ゆきですらその言葉に浮かない顔をした。とりあえず明日に考えようと話を収め、4人は眠りにつく。しかし、りーさんは自分の聞いた「声」を忘れてはいなかった。朝、くるみが心配になって寝床を覗いてみると、そこはもぬけの殻だった。みーくんは慌てるくるみを押しとどめ、二人で手分けして探すことを提案するが、探し始める直前に学校の扉からりーさんが姿を現した。

 りーさんは女の子を連れていた。表紙に描かれていた娘である。りーさんは生存者がいたのだと語り、安堵の笑みを浮かべる。くるみとみーくんが何故か狼狽している一方で、ゆきは少女の頭をなで、安心させるような言葉をかける。ゆきは彼女たちを笑顔で出迎えるのであった。

第36話「はじめまして」

 りーさんが見つけた少女は言葉を話せなくなっているようだ。りーさんは少女に自分の名前を告げ、そして少女に「るーちゃん」という名前を与えた。るーちゃんは言葉を話さないがなかなかに表情が豊かだ。りーさんとるーちゃんは「元気で面白いお姉さん」のゆきとともに楽しい時間を過ごす。みーくんはその様子を浮かない顔で眺める。みーくんはるーちゃんの扱いをどうすればいいか戸惑っていたようだ。それに対してくるみはゆきみたいなものだと語り、りーさんが元気そうだからいいだろうと言う。食事のときも、みーくんとくるみはるーちゃんの扱いを思案していたようだが、ゆきの幼稚(!)な振る舞いのおかげでそんな悩みは吹き飛んだようだ。

 平和な時間が過ぎ、夜、眠っていたりーさんは悲痛な叫び声を耳にする。それはるーちゃんの声だった。不安に怯えるるーちゃんをりーさんは優しく慰める。そんなりーさんの声をゆきは心配そうな面持ちで聞いている。

 そうこうして大学に辿り着いた一行。入学試験はまだだから見学という体で大学の校門を乗り越える。しかし、茂みから荷物を捨てるように声が。声の主はボウガンを持っていた。4人は言うとおり荷物を地面に置くが、りーさんが腕に抱いているるーちゃんは鞄を持ったままだった。声の主は無慈悲にもボウガンを発射した。矢はりーさんとるーちゃんの方へ……。

電波受信記録

 恒例のおまけは大学の青襲椎子という人物による電波の記録である。例の「巡ヶ丘ワンワンワン放送局」だけでなく、けいらしき人物 (私はもう死んだものと思っていたよ) の放送や謎の楽器演奏、「かれら」の謎に関係しそうなものまで様々である。ここでは詳細を書くつもりはないが、おそらく伏線の塊である。

「るーちゃん」の謎

 今までわざとすっとぼけたことを書いてきたが、実はるーちゃんに関する話は第6巻を読む前から耳にしていた。るーちゃんの正体についての考察も色々と聞いている。とりあえず、第6巻の描写から分かるるーちゃんの正体についての根拠を列挙してみよう。

  • りーさんは妹のことを記憶から消していたことを思い出していた。火事のときの絶望感の後遺症もあってか、りーさんは言動がおかしくなっており、幻覚も見ている様子だった。
  • るーちゃんに対するくるみとみーくんの態度が全体的におかしい。妙に心配しすぎている。くるみはるーちゃんを初めて見たとき、るーちゃんを「それ」と表現している。人間の女の子を「それ」と形容することは普通ない。
  • 逆にゆきは全く心配する素振りを見せない。まあ、ゆきちゃんは幻覚に慣れているし、最近頼れるお姉さんになっているし、多少はね?
  • りーさんを大学の校門の上に引き上げるとき、るーちゃんはりーさんの肩にすがったままだった。いくらくるみが怪力だからって、さすがに小学生と高校生を一度に引き上げるのはおかしい。
  • 荷物を捨てろと脅されたとき、読者の視点からはるーちゃんが鞄を持っているように見えるわけだが、仮にるーちゃんが人ではなく物だったら、りーさんが荷物を捨てていなかったということになるわけである。
  • るーちゃんは頭に丸い飾りを二つつけているため、そのシルエットは耳のある獣に似ている。蝶ネクタイは髭のように真っ黒。蝶ネクタイが髭だったら、上着のボタンは目に見える。上着の脇腹の飾りは爪の生えた手に似ている。それと、鞄のデザインは熊をイメージしたものだろう。
  • 第36話の扉絵のるーちゃんの足元の影が……もう隠す気がないな。
  • なお、第6巻表紙はるーちゃんとゆきが描かれている。本をひっくり返してみると、二人の様子を覗いているりーさんが。表紙をめくるとフルカラーの扉絵があり、そこに描かれたるーちゃんは「ぎゃおー たべちゃうぞー」って感じのアレである。

 頼れるリーダーの役割を演じてきたりーさんだが、第5巻の事件で積もり積もった心労が限界に達した。そして、妹の件でとどめをさされたというところだろうか。りーさんは頼られることを望んでリーダーを担ってきたところがあると私は思う。ゆきを妹の代わりにしていたと言っていたが、頼られることでむしろ安定するという気質だったのかもしれない。ゆきが回復し頼りがいのあるところを見せるようになってきたが、頼ってくる人物の独り立ちは、却ってりーさんには悪く作用したのかもしれない。りーさんにとって、頼ってくる人がいることは元気の源だったのだろう。それが妹の喪失の恐れと重なってこのような事態になったと私は推察している。

 りーさんの今後の話も含め、続きは第7巻感想へ。

追記

 第31話でのゆきの夜の行動について、「がっこうぐらし! 第31話 たびだち」というブログ記事では、ゆきはりーさんが起きているのを知ってわざとそんな行動をとったと考察している。ゆきはりーさんが寝息を立てていないことを確認しているというのだ。 頼りがいのあるところを見せ始めたゆきだが、ゆきとりーさんとの関係の変化を恐れてそのような行動をとったのだと、前述のブログ記事の作者の方は推測している。 実際のところは分からないが、的を射た考察だと思う。 もし、りーさんは保護の対象を必要としているということを理解してゆきがそのような行動をとったとしたら、ゆきは異常に勘がいいということになるが、ゆきならば割とありえる話である。



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